第27回桐生楽講座~あなたの知らない(かもしれない)桐生~開催報告(6/24)

投稿者: | 2025年7月3日

こんにちは,理工学図書館です。

6月24日(火),「渋沢栄一と群馬大学 国立への道」をテーマに,27回目の開催となる桐生楽講座を開催しました。今回も会場での観覧とTeams経由でのオンライン視聴のハイブリッド形式での実施となりました。
講師は,書肆画廊奈良書店代表・奈良彰一さんです。1971年に奈良書店古書部を開設,現在は桐生祇園祭保存会役員理事や桐生市史編纂審議会委員を務められる等,桐生の文化や郷土史にかかわる様々な活動でご活躍の奈良さんに,お話を伺いました。

今回は明治から昭和初期にかけて活躍した実業家・渋沢栄一が,群馬大学理工学部の前身である桐生高等染織学校の設立に関わっていたという,群馬大学内でもあまり知られていないお話をしていただきました。元々桐生には町立(のち県立)の織物学校が存在したものの,明治末期にこれを国立の学校にしようという機運が地域で高まっていました。このため桐生の有力者たちが東京の渋沢邸へ直接訪問して熱心に嘆願し,翌年には渋沢が桐生からの招待で講演に訪れたそうです。この経緯については,奈良さんから群馬大学図書館へご寄贈いただいた著作『両毛見聞録』にも述べられていますが,今回の講演では奈良さんのご厚意で,渋沢栄一直筆の書状と扇面も合わせて公開していただきました。特に書状は桐生織物学校の国立化について,渋沢が当時の桂首相へ進言したことにも触れた貴重な内容で,参加者の皆さんもお話を聞きながら熱心に見入っていました。参加した学生の皆さんからは「今勉強できているこの環境がありがたいことであると実感した」「自分も何かに一生懸命になれるようになりたい」「自分が当たり前に通っている大学が様々な人たちの努力によりできたことを知り、より勉学に励もうと思った」等の感想も寄せられました。

今回は会場とオンラインを合わせて,33名の方にご参加いただきました。奈良さん,そしてご参加くださいました皆さん,ありがとうございました!