こんにちは、中央図書館です。
2016年から毎年秋に開催してきた「群馬県の古墳発掘の父・尾崎喜左雄博士展」が、今年10年目にしてついに終幕を迎えました。
尾崎博士が昭和20~40年代に群馬県内300か所以上で行った古墳発掘調査において、その出土品だけでなく、測量図や調査記録、日誌、写真などが大量に残され、現在まで共同教育学部(一部は群馬県立歴史博物館に寄託)が保管してきました。それら貴重な資料群の公開と、尾崎博士の功績を知っていただくために実施してきました。
尾崎博士は昭和53(1978)年1月に逝去されましたが、その教えを受けた方々が今でもこの展示に足を運んでくださったり、尾崎先生や仲間との思い出を語ってくださいます。毎年、秋ごろになると告知を出す前に「今年はいつから尾崎喜左雄博士展が行われるのか」と問い合わせも複数あり、毎年の楽しみにしてくださる方もいたようです。
展示会場には、高塚古墳(榛東村新井)出土の武人埴輪や鶴山古墳(太田市鳥山上町)出土の石製模造品も展示され、多くの来場者の関心を集めました。

武人埴輪

石製模造品

カラー化した写真のパネル
また、多くの写真には、手作業で発掘作業に励む学生や見守る地域の方々の姿、尾崎先生の姿が残されています。モノクロ写真として残されているこれらの写真をカラー化したパネルも、当時の人々の様子をより一層リアルに感じさせてくれると好評でした。
出土品のほか、古墳の精密な測量図、分刻みで細かに書かれた調査日誌、推敲の跡が残る論文原稿、発掘現場を見学した小学生からのお礼の手紙など、貴重な資料の数々が展示されました。現在にも当時の状況を詳細に伝える記録や写真、考古遺物が整理されて残されていることは、専門家からも高く評価されています。その一端を公表し、この資料群の価値を広めることができた展示だったと思います。
トークイベントでは、尾崎博士のご子息で前橋工科大学名誉教授の尾崎益雄氏と、尾崎博士の教え子で群馬県文化財保護審議委員の右島和夫氏が登壇され、「師として、父としての尾崎喜左雄博士」と題した講演を行いました。
益雄氏からは、土日も家を空けて発掘調査に励む仕事人だったこと、学生や研究者が常にご自宅を訪れていたこと、忙しい父に代わって風呂敷に包んだ給料袋を背負って家に持ち帰らされた(!)エピソードや、益雄氏の進路選択には口を挟まず、やりたいことをとことんやれ、と後押ししてくれたことなど父親としての姿が語られました。
一方、教え子である右島氏からは、大学院進学や尾崎研究室の仲間だった女性との婚約、結婚に至る道筋を尾崎博士が進めていた(!)こと、節目ごとに気にかけ会いに来てくれたこと、お子様の名前も先に決めていたことなど、学生たちからも「オヤジ」と呼ばれる姿が語られ、尾崎博士の人柄が偲ばれる楽しいエピソード満載のお話でした。

本展示にあたり、群馬県立歴史博物館館長在任中からお世話になった右島和夫氏(群馬県文化財保護審議委員)、本展示を最も支えていただいた深澤敦仁氏(群馬県文化財保護課)、群馬県立歴史博物館の皆様、トークイベントに登壇いただいた研究者の皆様、展示にご協力いただいた皆様、来場された皆様に心より感謝申し上げます。
群馬大学共同教育学部で保管されてきた資料は、群馬県立歴史博物館に寄託されることになりした。今後も大切に保管され、古墳研究に活用されていくことを願っています。
関連リンク
特別展示「群馬県の古墳発掘の父・尾崎喜左雄博士展 Part10 Final~群馬県内の古墳発掘・調査の歴史を識る~」を開催します(11/7~12/19)https://www.media.gunma-u.ac.jp/announce/2025/clib/2025110700.html