第17回桐生楽講座「地方で起業して成功するには~絹織物の町から先端科学の街へ~」開催のご報告(5/30)

投稿者: | 2019年6月7日

こんにちは,理工学図書館です。

5/30(木)に第17回目となる桐生楽講座―あなたの知らない(かもしれない)桐生-を開催しました。今回は,津久井真澄氏(桐生信用金庫理事長)に「地方で起業して成功するには~絹織物の町から先端科学の街へ~」をテーマにご講演いただきました。ご講演では,次のようなお話がありました。

講演の様子

桐生信用金庫(以下,きりしん)は,大正14年に創業した当時はベンチャー企業の一つであり,現在は東毛を中心に34店舗・41カ所の店外ATMを展開しているそうです。

桐生市は創業支援事業の計画を策定し,国の認定を受けており,きりしんを含む市内の8機関が連携して創業ビジネス研修会や休日相談窓口等による支援等の創業支援事業を行っています。また,桐生で起業する人は,高崎・前橋に次いで3番目に多いそうです。

起業の前に,桐生市の多くの事業者が抱えている問題として事業継承があります。現在の経営者は75歳~80歳が多く,その7割に後継者がいないとのことでしたが,そんな中での事業継承の成功事例を紹介してくださいました。市内の釜めし屋が後継者問題に悩んでいたところに,若いそば職人を紹介し,一緒に働くことで新しく蕎麦をメニューに加えました。釜めしと蕎麦のセットが評判となり,半年後にはそば職人が店を買い取り,引き継ぐことに成功したそうです。

創業に向けては,5つのステップを教えてくださいました。まず,目指す業種の企業でアルバイトをして基本スキルを習得すること。それを,事業計画や資金調達,開業準備と事業運営に繋げるそうです。しかし,「一番大切なのは,経営理念だ」とのことでした。桐生で創業した歴史ある企業を2社ご紹介いただきましたが,どちらの経営理念も自社がどれだけ社会や人に貢献できるかを重要としているものでした。

参加者からの質問に答える津久井氏

最後に起業したい学生に向けて,「今しかできない勉強をすることと,余裕ができたら町へ出かけて多くの人と話すこと。会話して情報を得る練習をすることが役立ちます。」とアドバイスをいただきました。

学生の皆さんは遠くない将来,起業に向けての未来が見えてきたのではないでしょうか。 今回は学内外で59名の参加者があり盛況となりました。大変貴重なお話をしてくださいました津久井理事長,ご参加いただいた皆様,ありがとうございました。