「師範学校資料から見る群馬県師範学校の移り変り」講演会を開催しました 中央図書館

投稿者: | 2024年12月26日

こんにちは、中央図書館です。

中央図書館には、貴重書コレクションのひとつとして、本学共同教育学部の前身である群馬県師範学校、群馬県女子師範学校から継承された学校事務資料や写真、明治期教科書等6,000点以上が保管されています。2001年からその資料整理に携わってこられた玉置豊美先生(元・群馬大学非常勤講師)を講師に迎え、荒牧祭開催中の11月17日(日)に「師範学校資料から見る群馬県師範学校の移り変り」をテーマに講演会を開催しました。

玉置先生監修による同テーマのパンフレットも会場で配付し、それを解説しながら、和綴本の蔵書印から見る組織の変遷や、入学年、氏名から複雑な進級過程を追ってクラス編成を整理したことなど、長年の研究から見えてきた師範学校の姿が語られました。

また、11月11日から20日までは1階ギャラリーにて資料の現物展示も行いました。パンフレットに掲載された写真をパネル展示したほか、昭和9年の天皇行幸に係る事務資料や記念アルバム、昭和初期に女子師範学校で熱心に取り組まれた郷土研究や生徒らによって蒐集された明治期教科書、終戦前の学徒動員資料や終戦直後GHQによる回収図書の記録など、歴史を語る貴重な資料の一部を公開しました。

↑下は明治、昭和初期の大運動会プログラム。

↑女子師範学校生徒による郷土研究

↑下は昭和9年の天皇行幸に関する書類、記念アルバム、生徒による「感激文」。 上は学徒動員やGHQ通達文書

講演には21名の方に参加いただきました。「貴重な資料に触れることが出来て心が動かされた」「群馬県は良く資料が残っていると感じた」などの感想が寄せられてました。また、県外研究者の方が、後日改めて資料調査に訪れるなど、その資料群の価値が改めて見直される機会となりました。

「長年の研究成果をパンフレットの形に残せたことは、師範学校で過ごした学生たちへの鎮魂でもある」と語られた玉置先生の言葉も大変印象的でした。

今後、資料リストを公開し、学内外の研究者の皆様に活用いただけるよう準備を進める予定です。資料調査、閲覧を希望される方は、ぜひ中央図書館までご連絡ください。
貴重書コレクションについて https://www.media.gunma-u.ac.jp/collections/special-collections/

 

関連リンク
講演・ギャラリー展示「師範学校資料から見る群馬県師範学校の移り変り」を開催します(11/17、11/11~11/20)
https://www.media.gunma-u.ac.jp/announce/2024/clib/2024110100.html

第26回桐生楽講座~あなたの知らない(かもしれない)桐生~開催報告(11/1)

投稿者: | 2024年11月11日

こんにちは,理工学図書館です。

11月1日(金),「映像を通してのまちづくりと経済効果」をテーマに,26回目の開催となる桐生楽講座を開催しました。今回も会場での観覧とZoom経由でのオンライン視聴のハイブリッド形式での実施となりました。
講師は,わたらせフィルムコミッション代表・周藤史朗さんです。2005年わたらせフィルムコミッションへ加入,2014年代表に就任された周藤さんに,お話を伺いました。

まず最初は,わたらせフィルムコミッション設立の経緯についてお話しいただきました。
わたらせフィルムコミッションは,2002年に日本初の民間ボランティア団体として発足,映画やドラマ以外にも学生の自主制作作品等にも積極的に協力されてきたそうです。桐生市・みどり市と連携協力しており,団体名も渡良瀬川全域を活動エリアにしていることから命名されたということで,桐生との繋がりの強さがうかがえました。

その後はフィルムコミッションの活動について,各制作会社からの問い合わせから最終的に完成した映像作品の発表までの紹介があり,具体的な経済効果の数値も交えつつ,実際に制作された映画やドラマ等について,現場ならではの興味深いお話を伺いました。特に撮影現場での裏話は参加者の皆さんが一番楽しみにしていた部分ではないかと思いますが,期待通りに俳優さんや映画監督等のユーモラスなエピソードを色々とお話いただきました。また合わせて,フィルムコミッションの活動が地域の経済や文化へどのような影響をもたらすかを具体的な例を挙げてご説明いただき,大変わかりやすくためになるお話でした。



今回は会場とZoomを合わせて,31名の方にご参加いただきました。周藤さん,そしてご参加くださいました皆さん,ありがとうございました!

全国大学ビブリオバトル2024関東Bブロック予選を開催しました!

投稿者: | 2024年10月25日

こんにちは、中央図書館です。

10月24日(木)16:15から、中央図書館2階学習室を会場にビブリオバトル(全国大学ビブリオバトル2024関東Bブロック予選)を開催しました。

今回は、群馬県内大学の在学生の方も参加できる「オープン開催」とし、バトラーとして4名の学生さん(全員本学の学生)が登壇しました。

バトラーの方々は、はじめは緊張した面持ちでしたが、熱心に聞く観覧者の皆さんの反応や笑い声に少しずつ緊張が解けて、本への思いをじっくり語ってくれました。

読み終わった後に表紙の絵を見ると、「え?え!?えっ!!」と3回は声が出ますと紹介してくれた方、好きな一節を読み上げて、その文章の魅力を参加者に共有してくれた方、登場人物の特性とストーリー展開の巧みさを語ってくれた方、そして歌いながら(!)スタートし、観覧者を一気に引き込んだ方など、皆さんとても個性的で印象に残る発表でした。

チャンプ本に選ばれたのは、岩崎さん(本学理工学部)が紹介した『また、同じ夢を見ていた』(住野よる著)でした!おめでとうございます!

岩崎さんは11月2日(土)に開催される全国大学ビブリオバトル関東Bブロック決戦(群馬大会)へ出場します。ご健闘をお祈りしています!

岩崎さんは本の物語の中で「ビブリオバトル」というものを知り、今回初めてご自身でそれを体験したのだそうです。自分が現実にやれていることが不思議な感じ!と嬉しそうに話してくれました。ビブリオバトルとのこんな出会い方もあるんですね。

本の読み方、楽しみ方、感じ方は人それぞれで、本を読むことはとても個人的な体験かも知れません。でも、ビブリオバトルでは、その体験や思いを言語化して人に伝え、リアルタイムに多くの人と共有する喜びがあります。参加した皆さんが口々に「楽しかった~」と笑顔を見せていましたね。紹介された本は、どれも読みたくなってしまいます。

4名のバトラーの皆さん、大変お疲れ様でした。また、観覧にお越しいただいた17名の皆さん、盛り上げていただきありがとうございました!チャンプ本発表時に司会が「BGMなくてすみません…」と言ったら、観覧席からドラムロール(の声)が鳴りました。一体感のある会場で、運営側もとても楽しかったです(笑)。

<ビブリオバトルで紹介された本> ※図書館が所蔵する本にはリンクを付けています。
・「また君と出会う未来のために」阿部暁子(集英社)
・「水を縫う」寺地はるな(集英社)
・「掟上今日子の備忘録」西尾維新 (講談社)
・「また、同じ夢を見ていた」住野よる(双葉社)★チャンプ本

 

関連リンク
ビブリオバトル出場者・観覧者を募集します!(〆切10/21)
https://www.media.gunma-u.ac.jp/announce/2024/clib/2024092400.html

ウクライナDAY in 群馬大学 を開催しました

投稿者: | 2024年9月2日

群馬大学(荒牧キャンパス)では、令和6年度群馬大学地域貢献事業として、8月25日(日)に「ウクライナDAY in 群馬大学」を開催しました。群馬大学では、2022年6月から、ウクライナの学生・研究者を受け入れており、ロシアによる侵攻が長期化する中、同国の現状や伝統文化を伝え、心を寄せてもらおうとトークイベントやワークショップ、展示会を企画しました。

トークイベントでは、群馬県内に避難する4名が、故郷の魅力や避難先に日本を選んだ理由、ウクライナに残る家族の様子などを語りました。隣国ポーランドからウクライナ支援を続ける、ワルシャワ日本語学校教頭の坂本龍太朗氏によるオンライン講演では、「ポーランドから見るウクライナ支援の現状」をテーマに、ポーランドに避難するウクライナの子供たちへどのような支援を行っているかを紹介しました。

会場では、ウクライナの子供たちが描いた絵も30点ほど展示されたほか、文化体験として、お守り人形「モタンカ」作りや、指で花を描く「ペトリキウカ塗り」ワークショップも行い、家族連れで賑わいました。

また、「発行されなかった卒業証書展」として、ロシア侵攻により卒業が叶わずに亡くなられたウクライナの大学生を写真で紹介するパネル展示を行いました。

およそ50名の参加者からは、「意義深いイベントだった」「自分たちは何ができるか考えていきたい」「避難民の方々や坂本氏のウクライナ支援の現状を生の声として聞くことができて良かった」などの意見とともに、避難生活を送る人々へのエールが寄せられました。

▲故郷ウクライナを語る

▲ポーランドから支援を続ける坂本龍太朗氏の講演

ウクライナの子どもたちの絵画

▲ウクライナの子どもたちの絵画

▲ワークショップ ペトリキウカ塗り

発行されなかった卒業証書展会場写真

▲発行されなかった卒業証書展

 

関連リンク
ウクライナDAY in 群馬大学を開催します(8/25)
https://www.media.gunma-u.ac.jp/announce/2024/clib/2024080800.html

妖怪研究家・市川先生による教員展示・ミニレクチャー「地域文化としての妖怪研究の魅力と広がり」を開催しました

投稿者: | 2024年7月31日

こんにちは、中央図書館です。

中央図書館では、本学教員の研究活動を紹介する教員展示企画に合わせて、教員自らお話いただくミニレクチャーを7月26日(金)に開催しました。(コロナ禍前は、毎年3~4回実施していたもので、今年ようやく復活しました!)

今回講師としてお迎えしたのは、「妖怪研究家」というユニークな肩書を持つ、共同教育学部美術教育講准教授の市川寛也先生です。市川先生は、人々が生み出してきた文化として「妖怪」をとらえ、日本各地でどのように生まれ、伝えられてきたのか、また妖怪文化の現代的活用について研究されています。「地域文化としての妖怪研究の魅力と広がり」をテーマにご講演いただきました。

地域によって呼び名や姿が異なる“河童”の話題や(注意書き等に描かれた河童の看板写真をコレクションしているそうです)、柳田國男の「遠野物語」、妖怪伝承の生まれる背景、現在も地域で大切にされる妖怪文化など各地の事例を交えて紹介されました。

妖怪は、絵本や漫画・アニメでも身近に触れきたものですが、不可解な自然現象に折り合いをつけるべく人間の豊かな想像力によって生まれ、地域の伝承文化としてお祭りや行事としても受け継がれていく、とても奥深いものなのですね。

学内外から28名の参加があり、「同じ妖怪が、各地でそれぞれ名前があり、地域に根ざした文化が興味深くかった」などの感想が寄せられました。市川先生がとても楽しそうにお話される姿が印象的でした。講演後も、熱心に市川先生へ質問する方や、子供の頃におじいさんやおばあさんにこんな話を聞いた、と情報提供する方など、最後まで話の弾んだ講演となりました。

市川先生、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

関連リンク
教員展示:市川先生監修「研究対象としての妖怪」&ミニレクチャーを実施します(7/11~8/30, 7/26)
https://www.media.gunma-u.ac.jp/announce/2024/clib/2024071100.html